はい、ボーズソーイングです!
ここでは、前回の【100年以上昔にジーンズの縫製で使われていた『本縫い折伏せ』を使用!】に引き続きボーズソーイングが作るデニムウエア
シングルスの仕様について、何がどう通常とは違うのか?
お手製の比較用ジーンズと比べていきます!
※ジージャンも同じ仕様です。
今回は残りの
- 縫い上げていく工程を一本針本縫いミシンに絞る!
- リベットは一つ一つ人力で頭潰し!
について解説していきます!
解説とかいいから簡単に教えて!という方は↓↓↓↓
縫い上げていく工程を一本針本縫いミシンに絞る!
前回、一本針本縫いミシンを使って『本縫い折伏せ』でジーンズのお尻の部分を縫っていると説明していきましたが、
では、この部分は通常どんなミシンを使って縫製されていたでしょうか?
正解!巻きミシンでしたね。
この他にもシーンズは数種類のミシンを使用して効率的に生産されおり、例えば、二本針本縫いミシンにインターロックミシン、帯付ミシン等々、一台一台が1つの工程の専用ミシンだと考えてもらえれば一番近いかと思います。
そのミシンとかが無いとジーンズ作れないの?
そんなことはありません!ヴィンテージの中にはこれらのミシンは使わず、一本針本縫いミシンで作られているモノもちゃんとあります!ただ生地端が切りっぱなしだったりしますが…
そこで、お尻の部分はすでにヴィンテージの縫製方法なら、当時から使われていたボタンホール以外、残りの縫い上げる工程も一本針本縫いミシンで縫って生地端もキレイに処理していこうじゃないか!
ということで後は…
どこがどう違うの!?
※ここからの画像は左がボーズソーイング仕様、右が通常版でお送りします。
まずは前開き部分。
通常版ではヒヨクというボタン穴が開いているパーツと持出しというフライボタンが打ってあるパーツの生地端をオーバーロックでカガリ縫いして処理してありますが、ボーズソーイング仕様の方はこれを行わず、アイロンで周りを折ってからステッチで閉じてあり、スッキリとした見た目になっています。
続いて袋布の脇側。
ここでも通常版は生地端をオーバーロックでカガリ縫い。
ボーズソーイング仕様の方は袋布で脇の縫い代をぐるっと包んで縫ってあり、これまたスッキリ。
お次は内股。
ココも通常版はオーバーロックに見えますが、少し違ってインターロックというミシンが使われています。これはオーバーロック+地縫いを一度にやってくれるという優れものミシン。
ボーズソーイング仕様の方は本縫い折伏せの再登場!!
最後にウエスト帯の部分。
こちらの通常版、少し分かりにくいですが上から二本目のステッチがチェーンステッチなのがお分かりいただけますでしょうか。これは帯つけミシンとラッパを使って帯の縫い代を自動で折り込み、そのまま身頃(パンツ本体)を挟んで縫ってくれるミシンで縫われています。要するに何個かの工程を一発でやってしまうという事。
ボーズソーイング仕様の方は帯をアイロンで折って地縫い、その後一本針本縫いミシンで縫ってあります。
シングルスとは!
ここまで読んで、シングルスのシングルスたる所以は何となくでもご理解いただけましたでしょうか?
この様に、縫い上げ工程にとことん一本針本縫いミシンを使い、そのポテンシャルを最大限発揮。たとえ効率化の逆を行ったとしても、オールシングルステッチで縫っていく事で生まれる手仕事感とその温もりを感じられる。
それがシングルスという事です!!
長々と2回に分けてまでの解説にお付き合い下さり、誠にありがとうございました!
最後の最後に手仕事つながりで
リベットは一つ一つ人力で頭潰し!
少しでも当時のリベットっぽく見えるように、一つずつ金槌で叩いて潰してあります。